どんなに努力しても達成感を得られない理由と、その対策について考えてみた。
何かが思い通りにいかないとき、どんなに努力しても、エネルギーを費やしてもどうしても達成感を感じられないとき、どうしてだろう?なんでだろう?と最近考えてた。
そんな先日、とある専門分野の人に、プライベートでインタビューを依頼された。とある内容について、私の意見を1ユーザーとして聞きたいといわれたのだ。私が知見を持っているからなどではなくて、多くのユーザーの1人として、ヒアリングしたい、ということだった。なので、特に準備はいらないといわれた。…のだけど、私はその分野について個人的に非常に興味があったので、せっかくだからと資料を準備した。あくまで即席で雑ではあるが、昨今の環境の変化や、見聞きして考えていたこと、自分なりの知見、また、これはこうする方がいいのではないかとか、自分なりの改善提案や、アイデアなどをPowerPointに落とし込んだ。その週もまたすごく忙しかったのだが、その瞬間、準備をしていて不思議ととても楽しかった。
そして、いざインタビュー当日。ものすごく驚かれた。資料を用いながらする私の説明が、とても面白いと興味を持ってもらえた。また、もしかしてプロか?などというような事までいわれた。嬉しい疑いだった。もちろん、たまたまインタビュアーが褒め上手、載せ上手だったのかもしれない。けれど、私はその時自分の中の何かのスイッチが入ったように感じた。そして「ハッ」とした。こういうことだ、と。
そう、最近もやもやしていたのは、自分の考えをまとめ、提案する、ということをしていないからだ、と。漠然と何かワクワクするものを求め「アイデアを形にする力を手に入れるぞ」と意気込みながら、多忙さにかまけてソレをVerbalize(=言葉にする)していなかった。言語化していないものを、つかみ取ることなんてできるはずがない。また、求めるものを言語化せずして、誰かに提案するレベルに至るわけもない。言語化して、自分のアイデアを「提案」する程の熱量まで持っていければ、もっとイキイキ出来るんじゃないかと思った。
アイデアを形にする力を身に着けたいと考えていたが、アイデアを形にする=シェイプを与える、だけではない。シェイプを与える前に、そもそもアイデアを言語化しなければならない。*1
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ここでもう1つの話をしたい。提案する力も大事だが、提案するからには相手に自分の考えを伝える力も必要だ。言い換えれば、「プレゼンテーション能力」などと言われるものだ。
先日、社内でとある集まりがあり、そこで統括する立場の者がスピーチを行った。その人は非常にプレゼンが上手な人で、いつもつい話に引き込まれるし、聞いた後はその人の話していた内容が私の頭の中でリフレインする。これはまさしく、その人に提案する力があり、そのうえで相手にそれを伝えられるプレゼン力があるということだと思う。その日のプレゼンもまた、引き込まれる内容だった。会場に集った者はみんな、プレゼンターの話に集中し、たびたび頷きながら聞いていた。私も聴衆の一人として席に座りながら、ふむふむと聞き入っていたのだけど、ふと、なぜこんなにこの人はプレゼンがうまいと感じるんだろう?と考えていた*2。ポイントはおそらく、下記の5点だと思う。
- 内容:話す内容のポイントが3点程度以内に絞られている。
- 反復:キーフレーズを繰り返す。
- 装飾:話すときにほどよく自分なりのカラーをつける(言葉、文化、ジェスチャー)
- 目:未来をみるような目で語る(目に自信があふれている)
- 言葉:自分の言葉で語る
5つ番号をふったが、これもある意味、当然といえば当然だ。プレゼンの教科書にもよく書いてあるだろう*3。そして1~4は訓練でなんとかなるものだとは思う。
ただ、5番目の「言葉:自分の言葉で語る」はどうだろうか。
意外とポイントとして書かれていないこともあるのではないか。ここで強調したいのは、暗記して棒読みにならないようにしよう、とかそういうとではない。常日頃から、興味あるテーマについて思索し、自分の考えをまとめ、信念に基づいて自分の感じたことをベースに言葉にする、ということだ。
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つまり、達成感を得るには、提案する力=自分の考えをまとめて1つのテーマにする力と、それを相手に伝える力=プレゼン力が必要なのではないかということ。そしてこれらの力に共通した土台には、「いつも自分の言葉で語れる準備をしておくこと」があるのではないかと思った。言語化のパワーを、信じてみたい。